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シンポジウム・研究集会の案内
日本プランクトン学会70周年記念シンポジウム
プランクトン学会の過去,現在,未来
   

主  催

日本プランクトン学会

開 催 日

2023年3月21日 (火曜祝日) 9:00〜17:00

場  所

東京海洋大学品川キャンパス白鷹館

コンビーナー

山口 篤 (北海道大学)・小針 統 (鹿児島大学)・片野俊也 (東京海洋大学)・伴 修平 (滋賀県立大学)・大竹裕里恵 (東北大学)・土屋健司 (国立環境研究所)・仲村康秀 (島根大学)
趣旨  日本プランクトン学会が設立されたのは1952年であり、2022年に70周年を迎えた。日本プランクトン学会では、30周年記念シンポジウム、50周年記念シンポジウムと、20年毎に記念シンポジウムを開催し、これまでの軌跡と、今後の学会の進む道を振り返る機会としてきた。70周年の現在、20年前に比べて、私たちの生活を取り巻く環境は大きく変わってきている。たとえばスマートフォンに代表される情報機器端末の普及、画像解析機器の進歩、遺伝子解析技術の進歩、人工知能(AI)の台頭、ビッグデータの活用、気候変動問題の顕在化、人口爆発など、我々を取り巻く環境は現在大きく変わっている。このように私たちを巡る環境が大きく変わっている現在、学会70周年を迎えるにあたり、設立当初に想定されていた学会と会員の関わり方を、再考すべき時に来ていると思われる。たとえば、学会が会員に行っているサービスとして、学会報(英文誌・和文誌)の発行、学会大会・シンポジウムの開催、という大きな2つがあるが、これらが想定された時には、インターネットやSNS等の情報発信手段は無く、それらを含んだ学会活動の仕組みになっていない点は、この70周年に直し、学会の社会との関わり合いについて、軌道修正をすべき内容であると思われる。
 学会が50周年を迎えた2000年代以降、科学技術の進歩は著しく、既往の方法が進歩したことはもとより、既存の方法とは異なる方法、とくに情報機器や遺伝子解析技術の進歩は著しく、微小で脆弱なプランクトンの情報も我々は取り扱えるようになった。他方、地球温暖化が生態系へ与える影響が顕在化したため、このメカニズムを理解する際に、海洋生態系の形を形作るコンポーネントとしてのプランクトンが注目されるようになってきた。これまでプランクトンは、いわばマニアによるマニアのための、閉じたコミュニティにおける興味対象であった面もあったが、グローバル化とコミュニケーションツールの発展により、その存在や必要性は、これまでよりも広いコミュニティに認知されるようになりつつある。
 このように、学会50周年以降、この20年間におけるプランクトン学会を巡る環境・状況は著しく変化している。しかし前述のように、学会の仕組みは必ずしも、それら社会的要求の受け皿になり得る体制になっていない。今回、学会設立70周年記念シンポジウムを開催するにあたり、この20年においてプランクトンを巡る問題をレビューし、今後の学会としての社会的要求に応えうる組織になるための方法や方向性、展望を考える機会を提供することが出来たらと考えている。
 本シンポジウムは2部構成になっている。第1部では、この20年間でプランクトン研究を巡る状況が、何がどのように変わったかそれによって得られた知見や、見つかった新たな課題、今後の展望などについて、日本プランクトン学会会員を中心とするメンバーからご講演を頂き、聴講者と共に議論を深める機会を提供する。第2部では、プランクトンを対象とする、これまでの学会活動からはこぼれ落ちていた活動に関する、様々な取り組みについて、各業界の方からその内容についてご紹介を頂き、今後の日本プランクトン学会の発展について聴講者と共に議論を深める機会としたい。
プログラム
70周年の学会活動を振り返る 座長:山口 篤 (北海道大学)
9:00-9:05 開会挨拶 伴修平(日本プランクトン学会会長)
9:05-9:10 主旨説明 山口 篤 (北海道大学)
9:10-9:40 プランクトン研究は何処へ漂う 上 真一 (元日本プランクトン学会会長)
9:40-10:10 三次元流体空間と二次元固定空間での海洋生物研究,ベントス研究者になったプランクトン卒論生の視点で 風呂田利夫 (元日本ベントス学会会長)
10:10-10:40 学会誌に見るプランクトン研究 古谷 研 (Plankton and Benthos Research編集長)
10:40-11:10 若手から見たプランクトン学会:課題と今後の展望について 仲村康秀 (日本プランクトン学会若手会)
11:10-12:00 パネルディスカッション
 
今後の学会活動への期待 座長:小針 統 (鹿児島大学)
13:20-13:30 主旨説明 小針 統 (鹿児島大学)
13:30-13:50 美しいプランクトンの「形」の記録:研究とアウトリーチの相補的関係 下出信次 (横浜国立大学)
13:50-14:10 微細藻類による経済性を考慮した環境技術への取り組み 福島のぞみ (本田技術研究所)
14:10-14:30 水圏環境調査会社の紹介 金山 健 (日本海洋生物研究所)
14:30-14:50 ジェリートラップ 足立 文 (新江ノ島水族館展示飼育部)
14:50-15:10 なぜアクセサリーに?作品を通してクラゲの魅力を伝える 藤原梨恵 (hoccolie)
15:10-15:30 プランクトンの観察を通して,研究発表まで進む高校生の研究活動の過程について 荻野孝洋 (正智深谷高等学校生物研究会)
15:30-16:00 パネルディスカッション
16:00-16:05 閉会挨拶 大塚 攻 (日本プランクトン学会副会長)
16:05-17:00 研究発表および商品展示 正智深谷高等学校生物研究会・hoccolie
<総会のお知らせ>
シンポジウム終了後(17:00〜)に、2022年度日本プランクトン学会総会を行う予定です。